その人の顔は、ぼんやりとしている。

もうずいぶん昔だ。

覚えてないと言う方が正しい。

その人は、僕に向かって唇を動かす。

何を言ったのかは、わからない。


目を開けると、真っ白な天井。

差し込んでくる日の光は、朝と言うことを教えてくれた。

朝じゃなくて、昼かも知れないけど。

夜の生活が躰になじんでしまうと、朝と昼の区別がつかなくなる。

特に僕なんて、昼過ぎてから起きるのが当たり前だから。

それにしても、ずいぶん懐かしい夢を見たものだ。

僕がまだ中学生だった頃の夢。

結構久しぶりに見たような気がする。