――あんなヤツ忘れて、俺と恋しろ

彼のことをいい人だと思っていた自分を恨んだ。

ただの肉食獣じゃないか!

からかわれたと言うことにできたら、どんなに楽なのやら。


「帝さん、ご指名です」

控え室に顔を出す。

「静香から?」

「ええ、プラスお供2人」

「何だ、静香と2人きりがよかったのに」

欲しいおもちゃを買ってもらえなかった小さな子供のようにガックリとうなだれる帝さん。

さすが、小悪魔。

彼女持ちと言うことは知ってても、ドキッとする。

「早く行ったらどうだ?

他のヤツらが彼女に話しかけてる」