王様の、言うとおり




私が悪いみたいに言って。

……何ですか、今日。


せっかくのお祭りなのに、厄日。



『やだ!私行かないからね!』

[はぁ?]

『待たせたからって絶対に謝らないもん!煌が悪いんだから。』




待たせたって……



あんなことされて平気でその場に突っ立って大人しく待ってるなんてできない。




キングが悪いはずなのに、私が悪いの?

[菜月……?]

悔しくなって、唇を噛んで無言になった私にキングがさっきよりも優しい声で名前を呼んできます。



『…………。』




[菜月、とにかく合流しよう。今どこっ――]



パンッ、とこれでもかって位にケータイを力を入れて折り畳んでやりました。




何が合流しよう、ですか。

謝ってくれても良いんじゃないですか。



ただ、一言。







さっきはごめん、それかはしまきありがとう、くらい言ってくれたら私の気持ちもちょっとはマシになるのに。



……知らない所で人気も無くて、おまけに一人。


みじめ。




本当に、みじめ。

私は、こんなみじめな思いをする為にお祭りに来たんじゃないのに。



楽しむことはあっても、こんな気持ちになるなんて思って無かった。






朝ご飯のお礼に好きなもの買ってくれるって言うから来たのに、何も買ってないし。



はしまき買いに行かされただけ。