王様の、言うとおり




何よりも待たせているキングが怖くて急いで人混みの中キングの待つ場所まで急ぐ。



人の多さは減るどころか増えたような気がします。



「……あ。」

―――走っていた足が無意識に止まってしまいました。



小さな砂利がサンダルから出ている素肌に当たって痛い。



キングが座っていた場所には……



ううん、今も座っていると思うけど、前に浴衣の女の子2人。

すごくメイクしてるから一瞬知らない人にキングがナンパされてるのかと思ったけど……。



違う。


横顔で、すぐあたしと同じクラスの子だと分かりました。



……何を話しているんだろう。

キングの事だから、私みたいにポロッと言っちゃいそうになってしまったりはならないだろうけど。

楽しそうに笑顔で何か話してて。






キングはそれを見上げてて。



……どうしよう。



行くことが出来ず、どうすれば良いか分からなくて、ぼーっと気付いてくれる事を期待してキングを見ていた時。


何気なく、顔を辺りに動かしたキングの目が、私を捉えました。




表情をかえることなく私を見たキング。



「あ……。」


ふ、



…………。



顔、を、逸らされました。



一瞬、何が起こったのか全然分かりませんでした。



でも、今のは絶対に……。

キングの目は私を捉えていたはずなのに。

無視、されました。

気付いてないはずがないもん。

目、絶対に合った。



まるで、知らない人を一瞬見て何も無かったかのように再び話している女の子の方に戻して。