強いキングの力。
『うぅっ……。』
思わず叫んでしまいそうになった声。
ふわっと気持ちが悪い浮遊感。
それも一瞬で、気付けばキングに抱えられるようにしてベランダにいました。
……何で死にそうな思いまでしてここに来なきゃいけないの。
すぐに持たれていた手は放されて、力が無い私はヘナヘナとその場に座り込んでしまいます。
何か、今のですっごく気持ち悪くなってしまったんですけど……。
思わず手で口を覆う。
「やっぱ下から来て貰えば良かったかな。支えたから痛い。」
『……だから下から行くって言ったじゃないです、か。』
「や、菜月こういうのやりたいかなーって。マンガみたいな、折角造りが出来るようになってるんだからさ。」
要らない造りですよ。
もっとこう、なんて言うか。
夜中こっそり……とかが有りがちなのに。
早朝だし。
寝起きだし。
犬の散歩してるおじさんが視界に入ったし。
それに何より……相手にもよりますけど、は心の中で言った。
……未だ立ち上がれない私。
「こっち。」
そんな私をお構い無しに、室内に呼び込むキング。
仕方なくよろよろと立ち上がって中に入る。
平行感覚がおかしい……。
ベットがあって、その横に放置されてる時計……コレが毎朝毎朝迷惑をかける時計だ。
今日は動かなくて良かったみたいです。
私の部屋も片付いている方だと自分で思うけど、
キングの部屋は片付いている、と言うよりも片付けるような物が無い、と言った方が正しいかもしれません。
何に興味があるのかも分からないし、キングが考えている事も分からない。
後から気付く事が多くて……。
結局会話しなければ家が隣でも他人なんだよね。
幼なじみなんて、所詮いつでも切ろうと思えば切れる関係だよね。



