付いたテレビには、画面いっぱいにゾンビのようなお婆ちゃんが映って。
すぐに視線をキャベツへ。
でも、
見てしまったものは消えません。
《うぅ……ガタッ!》
見てなくても耳からはテレビの音が聞こえてきて。
変な効果音や、呻き声、物音が聞こえてきます。
それを聞いて脳内で勝手に場面を想像してしまう頭。
『そういや、今日恐怖スペシャルあるって言ってたな……。』
ボソっと言ったキングは、
チャンネルを変える気配が無いです。
《ッ!嫌っ!!》
「ちょっ、ちょ、チャンネル変えて!!」
あたしは下を向いたままキングに叫びます。
でも、キングは呑気に
『何で?』なんて聞いてきます。
分かってるくせに。
「……怖いからっ!」
『フッ……。』
笑ってるけど、変えてくれる……気配がありません。
「あの……」
『あー。俺コレ見るからさ。』
「えっ!?」
『面白そうだし。嫌なら早くキャベツ食べて風呂にでも入ったら?』
……鬼だ鬼!
優しいなんて欠片もない。



