〔美味しいって言ってもらえるだけでまた頑張って作ろうって思える。〕
そう言っていたお母さんの気持ちがよく分かる。
でも……
ハンバーグ一口と一緒に食べてるキャベツは全く減らない。
『キャベツ食べなよ。』
「食べてますけど……。」
食べても食べても無くなるのはハンバーグとスープだけ。
ちゃんと食べてるのに。
『――ご馳走様でした。』
食べ始めて十数分。
そう言ったと同時に立ち上がって食器をキッチンへと持っていく。
あたしは……
ハンバーグとキャベツと睨めっこ。
残り少ないハンバーグの量に比べて、減らないキャベツ。
さすがにちょっとお腹いっぱいになってきたかも……。
『後少しじゃん。』
キングはキッチンから戻ってくるとあたしの残り見る。
その後、ドカっとソファーに座ったキングはそのままリモコンに手を伸ばして電源をつけました。
私も自然にテレビへと視線を向けて……
その瞬間後悔しました。
「ひッ!」



