王様の、言うとおり




『さ、座って。』


料理が出来上がり、お皿をリビングの机の上に置いた所でキングに言われて席に座ります。



目の前には山盛りのキャベツ。



『あ、ご飯。』


そう言いながらご飯をつぎにキッチンへ入って行ったキング。


私がしなければいけないけれど、そんなこといいや。


少し腰を浮かして後ろを振り返れば、

茶碗片手にご飯をついでいるキングの後ろ姿。



今だ!



今しかチャンスはない!



キングがご飯をついでいる、見ていない。


そのすきにあたしのキャベツを分かんない程度に摘んでキングのキャベツの方へと移します。



少ししか変わらない。

でも少しだけでもせめて…。









ですが。



つぎおわった茶碗をテーブルに置いて戻ってきたキングはお皿を見るなり、


『菜月移動させただろ。』



分かんないくらいしか移動させてないのに、

移動させた事に気付いたらしく、またキャベツは私の皿の中に帰って来ました。



戻ってきたキャベツを凝視。



どうしてわかるの。


恐ろしいです、キング。