王様の、言うとおり




フッとあたしの耳元で囁くように言うと笑って食器棚から食器を取り出していきます。



『焼くの、変わる?』



二人分の白い食器を並べて、私が焼いているハンバーグを見るキング。



野菜を先に盛り付けないといけないから、変わってくれるのは嬉しいけれど……。


「油、飛んだらいけないから、私がする。」



私はキャラクターの可愛いエプロンを着けて焼いているから問題ないですが。



キングは私服。油が飛ばない方が良い、はず。




かといって飛ばないようにこのエプロンを……なんて言えません。



『あぁ。じゃ、そーして。』



自分の姿を見た後、水道で手を洗い始めました。




なんでしょう。この共同作業。



少し微笑ましく思ってしまうのは。



―――ですが。


「……分量おかしくないですか?」


ハンバーグを裏返して、キングの作業を見て思わず自分の目を疑いました。