思い出してた。
もしかしたら、聞かない方が良かった話題だったかもしれません。
嫌そうな顔をしていたし……。
再び手を動かし始めると、すぐにソファーの軋む音がして。
『ちょっと出てくる。』
キングが動いた気配に顔を上げれば、そう言われました。
どこに……?
気になったけれど、そこまでは干渉してはいけない気がして。
さっきの事もあり、頷きます。
『30分位したら戻るから、夕飯作っといて。』
私にそう告げると、玄関へと消えていくキング。
なんだか私、家政婦さんみたい。
ガチャン、と扉が閉まる音がした後、静かになった部屋を寂しく感じてしまいます。
やっぱり会話が無くても誰かが同じ空間にいるだけで違う、と。
……30分で、ハンバーグが作れるかな。
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