そろそろ夕食を準備する時間帯……だ。
「うん……そろそろ作るね。」
読んでいた漫画を閉じて、キッチンへと向かいます。
『てんぷら。』
「……嫌です。揚げ物、暑い。」
冷蔵庫を開けて何か適当に作ろうと思っていると飛んできたキングのリクエスト。
却下です。却下。
このすっごく暑い時にクーラーをつけていると言っても揚げ物なんて。
汗をかく料理はしたくないです。
『ハンバーグ。』
「ミンチをこねるのが、面倒……。」
『じゃあ唐揚げ。』
「また揚げ物!?」
揚げ物は避けたい。
「……ハンバーグで良いですか。」
『ん。じゃあそれで。』
揚げ物の暑さよりもミンチをこねる苦労を選びました。
野菜とミンチを冷蔵庫から取り出します。
……そう言えば。
「き……煌は、おばあちゃんの家に行かないの?」
『……は?』
またダラダラし始めたキングの少し見える後頭部に話し掛けると、室内に響いた不快そうな声。



