「……電話。」


『電話?』

聞き返すキングに頷きます。

「おばちゃんが帰ってくる前の日!ほら、キウイ持ってきた日……。藤田さんから電話あったでしょ?」



『藤田から…?』




「き、煌〝藤田″って言ってたんだよ!明日って……。おばちゃんが帰ってきてた日、藤田さんとデートしてたんじゃないの?」

私はサボってしまったけど、学校は午前中だけのはずでしょ?



でも、夕方になってもまだ帰ってきてなかったじゃない。



『あー……あれか。』



しばらく考えるそぶりを見せて、顔をゆがめたキング。



「思い出した?」



『一応……でも誤解だから。』



ここまで来て。自分で藤田って言ったくせに。思い出したくせに。まだ否定するの?




『あれ、亮平。』

「……へ?」