王様の、言うとおり




最後の方はキングの顔が怖くて小さくなってしまいました。


絵美ちゃんなら多少遠くてもキングからの誘いならきっと喜んできてくれると思う。あ、やっぱりこの場合はキングから行くのがいいのかな。




王様なキングだけど、彼女にはやっぱり自分から行ったりするのかな。

『待って、菜月。』

「何を。」

『落ち着けって。』




「落ち着いてます!」


黙ったまましらばっくて続けるキングに無性に腹が立ってきます。

これも私に隠すつもりでいるのでしょうか?

…聞いちゃったんだもん。

絵美ちゃんから直接。

しかも電話で……それでも隠すの。

むっとした表情を顔前面に出してキングを睨みつければ、キングはあきれたようにふーっと深い溜息を吐いて。

『何言ってんの?俺、藤田さんと付き合ってないけど?』