『なんでそんなにツンケンしてた?』


「……ツンケンって。」



『してたでしょ。』



「別に、してないもん。」



『何を怒ってたわけ?』

急に思い出せばふつふつとこみあげてくるこの前まであった感情。



「……これだって、絵美ちゃんとすれば良かったんだよ。」


『は?』




気が付けば、そんなことを言ってしまっていて。

小さな言葉で言っても周りは静か、線香花火のぱちぱちとはじける音も静か中ではしっかりとキングの耳まで届いたらしくて。


キングが眉間にしわを寄せました。



『なんでそこでいきなり藤田さんが出てくるの。』




「なんでって……!」

しらばっくれた……!



「付き合ってるんでしょ…?絵美ちゃんと!それなら、これだって私じゃなくて絵美ちゃんとすれば良かったんじゃないかなぁ……。」