『、菜月。』
「何もできないかもしれないけれど、それでもやっぱり言って欲しかった。」
何のための幼馴染なのか。
あれだけいやだいやだと思っていた幼馴染という関係も、どちらかから本気で切ろうと思えば、簡単に切れてしまう。
案外もろいものなんだって気づかされた。
『ごめん。』
「……なんか、今日謝ってばかりだね。」
やっぱりキングもまいってるんだろう。
こんなの、見たことないもん。
『……見なくていいもの、見せたから。』
「見せたくなかったの?」
『できれば。怖かっただろ?』
怖くなかった、といえば嘘になるけれど、でも。
それよりも。
「知れて良かったと思うよ。」
このまま何も知らなかったよりも。



