『……あぁいうことは前からあったんだ。２人とも仕事が忙しくなってすれ違い始めてから。母さんの被害妄想…みたいな。』
「……うん。」
『あのあと、冷静さを取り戻したみたいで電話があった。菜月に悪いことしたって。』
「そんな、」
確かにびっくりしたけれど、そんな。
『嫌になるよな、あんなことされて。ビックリしただろうし。』
自嘲的な笑みで言うキングに首を振る。
「そんなことない…！」
『今度、時間を合わせて久しぶりにゆっくり話すらしい。父さんと。』
すれ違いが原因なら、話したらいい。
少しでも、解決できそうで。
「……良かったね。」
そう言えば、キングも『うん。』少しだけど、笑ってくれた。
「一人で我慢してたんだね。」
『……は？』
「あ。」
