パーカーを触りながら返せば、そう。と聞こえた後、

こっち。とキングが私に背中を向けて歩き出します。

それに黙ってついていけば、

向かったのはキングの家の庭で。



久しぶりに来ました。

『これ。しようと思って。』



そう言って家の壁に立てかけてあったのは、




「花火?」



『そ。この前の合宿の時にやったやつの残り。』


袋から取り出して地面に置きます。




すっかりバケツも準備してあり、さすがです。

『はい、つけて。』



そう言ってしゃがみこみライターの火をつけるキング。




私は置いてある花火の中から適当に一本手に取り、

キングの手に火花がかかってしまわないように気を付けながら花火の先を火に近づけます。





シューーー……そんな音とともに明るい光が周りを照らし、煙のとその臭いが広がりました。




すっかり暗くなった中ではそれがとても明るく、綺麗に見えて。

自然と笑顔になり、持った花火をくるくると振り回します。





……シューーー……