『ちょっ、何!?』
腕、
背中を確かめるように触られ……。
『っ、』
太ももを押されて、走った痛みに思わず顔が歪んでしまった。
しまった、と思った時にはもう遅くて。キングの手はハーフパンツの裾。絞ってある紐へと手が。
『だめっ!』
慌ててその手を掴んで止めた。
「何。」
不機嫌そうな顔をして一言。
何、じゃない。
キングが何をしたくてこの行動をしているのかくらい、私でも分かります。
だけど、無言で触られて、そんなことされてもセクハラじゃないですか。
「ケガ、」
『大丈夫。』
「いいから見せ――」
『本当に、本当に大丈夫だから。』
強くそう言えば、しばらく考えるような素振りをした後、離れていった手。
「帰ったら冷やせよ。」
諦めてくれたみたい。
一言そう言うと、背を向けて床の上に散らばっている書類を集めだしました。



