王様の、言うとおり





そう思っても関係の無い私には口出しできない。

「……仕事。時間は。」




「、あ。」



時計を確認すればあれから大分時間が経っていて。




居座りすぎたな、と思う。

「次は……、」




「しばらく帰れない。帰るときは連絡するわ。」


「……分かった。」




カタンと立ち上がるおばちゃん。



事務的なような会話。この雰囲気の中会話が暗くなってしまうのは分かるけれど、淡白で。




いつもこんな感じなのだろうか。

座ったまま会話を聞いていた私。

「……菜月ちゃん。」




そのまま声をかけられて上を向けばおばちゃんと目が合う。



「ごめんね。」




申し訳なさそうな、顔。

『あ……大丈夫です。』



それしか言えなくて。そう言えばもう一度ごめんね、と言われて出て行くおばちゃん。