王様の、言うとおり




机の上の物を所かまわず床に落としていくおばちゃん。



『落ちついて下さいっ―――たぁー……。』

とにかく止めなきゃと再び立ち上がっておばちゃんに駆け寄ろうとした、



ものの。


さっき貰って置いたばかりのゼリーの袋をすっかり忘れてしまっていた。



袋に足をとられ、どうにかしようと分からないまま体を動かし――



ソファーの端で足を強打。そのまま床に倒れてしまう。

痛い。右足……!!



じんじんとくる痛みに声を出さずに悶えていると、その上に雑誌が落ちてきた。




「母さん?……菜月!?」

――ちょうどその時。



ガチャ、と音がしたかと思うとこっちへ走ってくる足音が聞こえて。リビングに煌の姿が。






床に倒れたままの私と目が会うと大きく目を見開いて、それからおばちゃんへ。




「何やってんだよ!」

「、煌。」



「落ち着いて。」