『真面目、ですよ。宿題も提出しない事は無いですし……(私の無理矢理写したりしてるけど)。』
「友達は?」
『沢山いると思います。良く話しかけられてますし……。』
「……そう。」
ホッとしたかのように息を吐き出したおばちゃん。
「あの子、何にも言わないし、お父さん……煌のね?私の旦那。仕事ばっかりで煌のことはほったらかしで。お金さえ入れてればいいと思ってるのかしらね。ほんっと……、」
……どうしよう。次々と出てくる煌と煌のお父さんに対する不満を聞きながら、心の中で不安が募る。この不満が愚痴で、私が聞くだけでおばちゃんがすっきりしてくれるのならちょっと帰りは遅くなるけれど。
ハガキ出して真っ直ぐ帰ってない時点でどこかで寄り道しているのはお母さんも気付いているだろうし、いくらでも聞く。
聞くだけ、なら。
ただ。その不満が話す、だけでは無く“行動”に出てしまったら。煌みたいに力も無い、私には止められないだろう。
それだけは避けたい。



