そこまで考えて入試なんてしてないもん。落ちたくない!それしか頭に無かった。
入ってからの順位なんてそんなの……。
入れればよし!ですし。
って、それじゃあ。
「成績上位の人が委員させられるって知ってたの!?」
思わず大きな声が出てしまって自分で口を塞ぎます。
『知らなかったけど、大体最初はそんな感じで決めるかな、と。後出席番号順の一番からとか。』
「……すごい。」
何その予想。受かった後の委員決めのパターンまで読むなんて。どれだけ先を見てるのこの人は。
すごいけど怖い。
「でも……良いの?」
『何が。』
「あのテストは先生の第一印象になっちゃうんじゃ……。」
頭の良い人って先生は思うでしょう?
煌、頭良いのに埋もれちゃう。って、煌が埋もれようがいいじゃないですか。
何心配してしまっているんでしょう、自分。
気付いて気まずくなり視線を逸らすと、
それに気付いた煌は笑いました。
……鼻で。
『明日の実力テストで上位に入ればいいだろ?もう委員も決まったし手加減する必要もないし。』
「手加減って……。」
『学級委員になったやつ。名前知らないけど多分アイツがクラス一番。』
「へぇ、」
誰だろ。私も顔も名前も覚えてないや。煌の名前じゃ無かったことに拍子抜けしていたので。
『明日のテスト、菜月、楽しみにしとけよ。委員ら全員叩き落としてやるから。』
「、」
満面の笑みで言われても。笑顔と言葉があってません。後ろがどす黒いです。叩き落とすって……。



