『え?あ!』
どちらとも言わず、突き放すような言葉も言わず。
ただ笑顔と曖昧な言葉を見せて、廊下を歩いていきました。
急に分かれて、ぽつんと佇む。
気付けばキングの部屋の階、だ……。
私はまだ上の階。
振り向くことも無く、曲がって行ったキング。
『……中途半端。』
パタパタと音のするスリッパを、足に力を入れて音を出さないようにしながら上ります。
いつものキングなら、どっちかハッキリと言ってくれるはずなのに……。
私の言葉にカチンときたから教えてくれなかったのかな?
やっぱり、怒らせた……?
「おかえりー。」
『ただいまぁー……。』
部屋に戻れば、荷物整理をしていた奈留ちゃん。



