まさかキングが知っているなんて思っていなくて、驚きで肩が跳ねました。
『何でそれを……。』
どうして、なんでもうキングが知ってるの。
驚いてキングを見上げれば、何もかもお見通し、と言わんばかりのキングの視線。
「亮平が嬉しそうに言ってたし。楠木もニヤニヤしてた。」
『あぁ……。』
そっか。
亮平くん。
亮平くんが楽しそうにキングに報告する姿が簡単に想像できます。
「で?どうしたの?」
階段を上りながら問われました。
少しも遠慮が見えず。
足元を見ながら、なんだか胸に違和感。
なんだろう。
このこと、キングに知られたくなかったって思います。



