王様の、言うとおり





そう思っているのが、顔に出ていたのかもしれません。

「あ……返事は、少し待つんで。考えてみて、下さい。」

申し訳なさそうに、言われました。



『あ……。』


少し、待つから。




猶予を貰えた瞬間、何でだろう。

急に脳裏に浮かんだ人物。

『あのっ……。』




このまま別れたら、ダメだ。



『その……ごめんなさい。』

せっかくの告白を、ごめんなさい。

謝った瞬間、相手の眉が切なげに下がって、私は頭を下げるように俯きます。

『すごく嬉しかった……ですけど、ごめんなさい。付き合うのは……。』



好きって言われたのはすごく嬉しくて。



でも。



付き合うのは、何か、違くて……。




「そっか。……ごめんね?」

謝る目の前の彼に、首を振る。




謝る必要ないのに。