王様の、言うとおり




言われているのが、私だって事に、いきなりすぎて頭がついてこず、真っ直ぐ照れながら言われる顔を見つめ返すことしかできません。




……遡ること数分前。



告白現場を覗く、と言う悪趣味な亮平くんの思い付きに無理矢理連れていかれそうになった時。




いきなり知らない人に呼ばれた……私の名前。

「少し、いいかな?」と私を伺うように聞かれた言葉に「後は任せていってらっしゃい。」と笑顔で突き放したのは亮平くん。



私を捨ててそのまま引っ張られていく奈留ちゃんを見ながら、黙って付いてきて。


そして――




私は名前もクラスも……顔さえ今日初めて見た子に……告白されました。

夢か、夢。



でも……夢じゃない。


告白されたんだ……、と分かった瞬間、カァっと全身が熱くなります。




私……なんかを好きだって言ってくれるの?

告白って言うのは、私とは無縁だと思ってました。



そりゃ、マンガでこういうシーンを見る度に羨ましいなぁ、とは思っていたけれど、今、このタイミングで。



どうしよう、どうすれば……。