『……怒られたら亮平くんのせいだって言うからね。』
「ほんっと、覗きってバカじゃないの。」
ばれないように静かに付いていきながらも、奈留ちゃんはぶつぶつと文句を亮平くんに言ってました。
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人気の無い花火をしていた場所から少し離れた所。
旅館から漏れる明かりでかろうじて相手の顔が見える……位の明るさ。
向かい合っていて。
マンガでも、良く見る光景。
「いきなり付いてきて貰ってごめんね?」
『いや……。』
「……入学した時から良いなって思ってて気になって……。」
『………。』
「その……、好きです。付き合ってくれませんか?」
すごく、理想的な告白。
ベタな、漫画で何度も見た光景。
……ただ。
ただ。



