王様の、言うとおり




……水も入ってるし、それなりに重いんだよなぁ、コレ。


「足、疲れた。」



『行かせていただきます……!』


行きたくないけど、ここは行くしかない。




キングを無駄に歩かせてしまった負い目があるので。

「ついでに亮平も呼んで来てね。」

いってらっしゃい、と、ひらひらと手を振るキング。

私もキングにあんな風に言ってみたい……

そんな機会は無いと思いますが。



バケツを持ち上げれば、ちゃぷん、と音を立てて少し波立つ水。



こぼさないように気を付けて、回収場所へと運びます。

いくつも並べられているバケツの列の中に置いて、帰り道辺りを見回して見つけた亮平くんと奈留ちゃんの元へ。



『亮平くん、』




「あ、菜月ちゃん達終わった?」

『うん。煌が、呼んでこいって。』