王様の、言うとおり




疑問が湧いて、キングを見れば察してくれました。

また顔に出てたのでしょうか。

「どうせ最終日だからって亮平達が騒ぎ回って眠れないと思うから。」

『騒ぐ?』



「昨日も他の部屋の人が来て騒いでた。」


『昨日も?』



「そ。朝4時過ぎまで。」

そんな時間まで。

起きていたにも関わらず1日中元気が良い亮平くん、疲れを見せないなぁ。



若い。


「だから、どうせ寝れないから。」




そっか。

手持ちの花火を見つめる。

シューと勢い良く光を放っていた花火の勢いが少し弱まったと思えばあっという間に消えてしまう。

『終わっちゃった……。』



「これで最後だったっぽい。部屋に戻るか。……菜月。」


終わった花火を水の入ったバケツに投げ入れたキングは、立ち上がって私を見下ろします。




『何……?』

「コレ、返してきて。」

コレ、とはバケツ。



先に花火をした生徒達が終わった花火を入れている為、バケツから花火が沢山出てます。