と、
「誰かさんのせいで余計な体力を使ったから意地悪なんてする暇無かった。」
頭上から聞こえた、声。
ビク、と反応して振り向けば、
立って見下ろしている、キング。
今の話聞いてたのかな、と思うと背筋に寒気が……。
「菜月ちゃん道間違えたんでしょー？あ、火ちょーだい。」
にっこり笑っていつの間にか隣に腰を下ろし、
私の花火に自分の花火をくっつける亮平くん。
火、あげるけど、近い！近いよっ……。
右肩に完全に触れている亮平くん。
亮平くんは花火しか見えてなくて気付いて無いみたいだけど。
「煌、花火！」
ん、と二つつけた片方をキングに渡す亮平くん。
それを黙って受け取るキング。
いい、って言わない辺り、キングも花火を楽しんでいるみたい……です。
『奈留ちゃん達の方はどうだったの？』
くるくると振り回して煙で円を描く亮平くんを見た後、
奈留ちゃんに聞く。
お墓チームは……？
にやり、笑った奈留ちゃん。
