『た、高原くん、それ、紙取ったらダッシュでここ出ようね?』 念のため、先に言っておきます。 キングの事だから、追い掛けてきても悠長に歩いてる気がする。 キングが走ってくれないと私も逃げれない。 あ……でも、私に紙を取りに行け、とは言わずにキングが取ってくれるからまだ良いのかな。 と思ったのに。 急にぐい、と引っ張られた右手! 『や……!』 咄嗟に足に力を入れて踏張ります。 ちょっと待って! 『な、何でこっちの手で掴もうとするの!』 「取った瞬間手掴まれたら痛いから。」