『……そう、ですか。』

持っていい?じゃなくて持っとく。なんですね。

今はキングだけの左手じゃない事をしっかり頭に入れておいて欲しいです。



、あ!

『っ!』



「おいっ、」



ズル、と砂利道で滑った足。



なんとか滑ったけれど転ける事は無くふらついただけで済みました。

……小さなハプニングですが、心臓はバクバク。



『っ……ごめん。』



「何で何も無い所で転けそうになるの。」

『すみません。』



呆れた声が耳に届きます。


「……良かったね。この格好で。」



『え?』


暗闇の中、キングがこっちを向いたのが分かります。