「……俺が持つ。」

『えっ。』



「そうか、はい。じゃ、気を付けて行ってらっしゃい。」

手を振った先生が見えたのは、一瞬。




いきなり右手で先生から懐中電灯を受け取り、歩きだしたキング。


キングと繋がっている私も自然に歩きだす訳で。




肝試しが、始まりました。



――暗い道を進みます。


夜なのに、木々の中を進むせいか蝉が煩いです。



足元はキングが照らしてくれていますが……手首の部分がくっついているだけあって歩きにくい……。



これ、私はキングだからまだ良かったけれど嫌いな男子だったら地獄だな……。



足場が良いとは言えない道を見ながら思って、気になる事。