「何?」

『……何も。』



キングは私を置いて行ってしまいそうな気がするのです。



集合しているこの場所からぐるりと遠くの方を見渡せば、



山。山。山。そして、海。



灯りはこの旅館と先生達が持っている懐中電灯のみです。

今から入っていく山道。

山奥で、暗い所で一人にされたらもう……。



一人で、生きて戻ってこれる気がしません。



強制的に連れてこられたここで遭難なんて嫌だ……!



「携帯は所持禁止!見つけたらどうなるかは……分かるよな?

後ろのチームを待って一緒に行くのも無し。

早くて40分かかるから気を付けて行くんだぞ。」




どこのチームも大体ペアが決まり、いよいよ肝試しが始まりました。


1組から順番にスタートし、ある程度の時間を置いてから次がスタートします。