それを眺めながら、早く帰らないと亮平が煩いだろうな、と思いながらも体を動かさなかった。 手首を見れば、もう外した方が絶対に良い亮平が巻いた包帯。 外すか。自分で巻き直すか。 ペットボトルとコーヒーを置いて、手首に手を掛けようとした時。 「……高原くん。」 呼ばれてその方を見れば、この旅館の浴衣を着た……誰だっけ。 今日海で話し掛けて来た子。菜月の心配してた……、 藤田さんだっけ。多分。 間違えると失礼だから、名前は呼ばないけど。