『多分……。』



手当てしてください、とお願いはしておいたけれどあの状況だからきっと。



キングは自分の手当てよりも先に散らかった部屋の片付けをしていると思う。


それが分かっていたけれど、振り払われてもなお強引に手当てをするなんて勇気も無くて。



傷も血でどれくらいの深さなのか、どんな風に切れてるのかの確認も出来なかった。



「多分、て何よ。一緒にいたんでしょ?」




そうですよね、はい。


一緒にいたんだけど、分からなかったんです。

何も返す言葉が無くて、思わず俯いてしまう。



あんなキング、初めて見て。