なかなか来ない私を心配してくれたのか、お母さんに呼ばれて、ボーッとしていた思考を戻します。
『うん、大丈夫。』
リビングに戻れば、お母さんは棚の引き出しの中を触っていて。
「そこ座って。消毒するから。」
……誤解!
『あっ、違うの!これ、私の血じゃなくて!』
私がケガしたと勘違いしてるお母さんに慌てて弁解すれば、ん?と首を傾げられる。
じゃあ誰の血?って無言で聞かれて……。
『煌の、血が付いてたみたいで。』
苦笑いしながら言えば、お母さんはさっきよりも心配そうな顔になる。
「煌くん、ケガしたの?」
『う、ん……。』
「大丈夫なの?」



