この様子だとすぐに馴染んでくれそうです。
我関せずで、はしまきしか頭を占めてないだろうキングは、前に向き直るともう姿が見えませんでした。
ゆっくりと降りながら、途中にある少し奥にへこんだデザインの壁を見ます。
たまに来て、ここを通った時に思うんだよね。
疑問に。
私の家にもこういう構造はあるけれど、どのへこみにも写真とか小さいこまごました物を置いてます。
だけどキングの家には全くそういう物が無い。
掃除する時に面倒だからかな?って思ったけど、玄関にすら無くてそれが生活感が無いように見せます。
……嫌いなのかな、飾ったりするの。
キングも……あんまり写真を撮りたがらないもんなぁ。
「―――はい。はしまき。」
『あ、どうも。』
パックからお皿にと移されていたはしまきは、いつの間にかレンジで温めてあって湯気が出てました。
「誰かさんのせいですっかり冷えてたけど。」



