「もう少し。」
もう、少し?
『……お願いします。』
「しょうがないなー……。」
お願いした途端、嬉しそうに口角を上げたキング。
変な喜び方です。
そして反動を付けて起き上がったキングは。
そのままこっちに来てバケツを持ち上げました。
「……何これ。」
また、ちゃぷん、と音を立ててバケツの中で水が跳ねた音がしました。
『え?』
「何この量。これだけしか運んで来なかった癖にキツそうな顔してたんだ。」
どうやらキングは思ったよりも軽かった事に驚いたようです。
一生懸命運んできたのに、そんな言い方、ひどい。



