私と高橋は窓際の席に向かい合わせに座った

「夕日綺麗だねー」

「うん…」

夕焼けに染まる高橋きれー

「浜野って案外話しやすいんだね」

「え?」

「いつも男子と話さないから、苦手なのかなって思ってた」

その通りです。
小学生の頃デブって言われたのがトラウマで。

その瞬間、腹の虫が鳴った
もちろん私の。

「あ」

恥ずか死!

すると高橋は微笑んで
食べる?と言って
ポッキーを差し出してくれた

「ありがと…」

「浜野面白い!」

面白いって言われた
しかも高橋に…

ポッキーを口に運びながら
私は

「高橋くんは…デブのことどう思う?」

自分でも何聞いてんだろー
馬鹿だなーって思うけど

高橋なら優しく答えてくれそうだから
長年気になってた質問
ぶち上げてみた

「それって浜野のこと?」

「…はい」

デブ=浜野
ってインプットされちゃってる…

「醜いと思う人もいれば可愛いと思う人もいる。自分を受け入れてくれる人は必ず現れるからね」

…そうだけど
本当に現れるかが心配なんです

「僕はデブは嫌いだけど浜野の体型は可愛いと思うよ。丸々してて」

褒めてるの!?
けなしてるの!?

「人生は一度しか無いんだからさ、我慢とか必要ないよ。本気で痩せたいなら話は別だけどね!」

…そっか。
行動に移さない癖に
うじうじ我慢してたって
仕方ないよね

そうだよね!

「ありがと高橋!元気出た」

「あ、やっと呼び捨てで呼んでくれた」

「ご、ごめん」

「いや嬉しいよ。元気で前向きな浜野が1番綺麗だよ!」

―は
何かいい雰囲気

「わ、私…高橋のこと」


その時
教室のドアが勢いよく開いて

「洋太ー!帰るぞ」

「待って仁史!浜野じゃあね」

私の告白は呆気なく終わった。

「まあいっか」


これからも
デブ人生を歩んで行きたいと思います

高橋と一緒に…

無理か。