綺麗


何度目だろうか
体重計に重い体を乗せる

「…太った」

昨日、綾奈と華乃とバイキング行ったから余計…

私の悩み、それは
デブであること。

家族は皆ふくよかで
毎晩オイリー食品

痩せたいけど
運動したくない面倒臭い

ガリガリの綾奈が羨ましい…
痩せすぎて少し怖いけど


次の日
いつものように綾奈や華乃と廊下で立ち話をしていた
勿論スナック菓子片手に。

「あ、高橋だ」

「可愛い」

廊下を通り掛かったのは
女の子みたいに可愛い高橋洋太。

「楢崎とできてる噂だよ」

「ホモ?有り得る」

高橋が男子に好かれるのも当然だよー
女子より可愛いもん
本当羨ましい

どうして私はいつもこうなんだろう
人のこと羨んでばっかりで
何にも行動に移さない
馬鹿みたい…


放課後
帰宅する準備をしていると
担任が教室にやってきた

「浜野、日直の癖に日誌書いてないだろ。今すぐ書け」

「は?ありえね」

担任は私の机に日誌を乱暴に置くと耳元で囁いた。

「お前…内申に何て書いてあるか知ってるか?このままだと高校…」

「わ、わかったよ」

私は渋渋日誌を書くことにした



「お腹すいたあ」
6時…キッチンで母さんの作る料理をつまみ食いしてる時間

あーやだ
私は立ち上がって
バックを片手に帰ろうとした
その時

「浜野!よかったまだ残ってた」

ドアの向こうに居たのは
高橋だった

「高橋!…くん」

「もう一人の日直、僕でさ。部活あって日誌書けなかったんだ。ごめん」

私より背が低(くて細)い高橋は
上目遣いでこちらを見た

「だ、大丈夫だよ」

「書き終わっちゃった?」

「ま…まだ」

「じゃ一緒に書こっか」

一緒に!?
お腹空いたけど…
こんなチャンス滅多にないっ