「怪我したのか?」 心配そうな声。 あたしはまだ俯いたまま。 「バスケしてたら転んだんです」 代わりに聡くんが答えた。 「そうか。しかし困ったな…今、保健室には誰もいないんだ」 「そうなんですか?どうしましょうか?」 保健室に誰もいないなら仕方ない。 「大丈夫です。平気です」 あたしはそう言って聡くんに下ろしてと頼んだ。 「大丈夫なはずないだろう?見ろ、ドンドン足腫れてきてるじゃないか」 確かに、さっきよりは腫れが増して変な感覚が足首を襲っていた。