「恵里佳ぁ、次、体育だよ。早く着替えようよ」



昼休みが終わる頃、教室の窓からボーと空を眺めていたら、由希が早く行こうと声をかけてきた。

そうだった。次は体育だったんだ。


更衣室に行って着替えなきゃ。


そう思ってロッカーから体育服が入ってるサブバッグを取り出すと、一瞬頭がクラッとして視界が揺れた。


「恵里佳?大丈夫?」


「だい…じょうぶ。ちょっとクラッてしただけ」



きっと、最近、考え事が多すぎて余り眠れていなかったせいだ。


「平気。それより早く行こう。体育の先生、遅刻するとうるさいから」

心配顔の由希の手を引いて急いで更衣室に向かった。