────── ──── 「くぅ~気持ちいいなぁ~」 雲一つない青空の下。 屋上で両手を上げて背伸びする聡くん。 その姿は本当に気持ちよさそうで「なっ!気持ちいいな!」と笑った顔は、あたしが知ってるいつもの聡くんの顔だった。 よかった…。いつもの聡くんだ。 なんだかホッとして「そうだね」と聡くんの隣で背伸びした。 風が肩まで伸びたあたしの髪をフワリと撫でた。 その時だった。 「恵里佳…」 不意に名前を呼ばれて振り向くと、ギュッと抱きしめられた…。