「はじめまして。西沢聡です。よろしく」
簡潔に、爽やかに挨拶をした彼。
教室のアチコチで「カッコいいね」と女の子の声が聞こえた。
あたしは、そんな声を聞きながら、ただポカンと聡くんを見つめた。
そういえば、こっちに戻ってきたって言ってたけど、まさかうちの高校に転校してくるなんて思いもしなかった。
暫し聡くんを見つめたいたら、あたしに気づいた彼が「よっ。恵里佳」と右手を顔の位置まで上げて微笑んだ。
一斉に集まる女の子達の痛い視線。
「よっ…よっ…」と苦笑いして応えて、尚も突き刺さる痛い視線に思わず下を向いた。


