聡くんとショッピングモールで別れて、あたしとお姉ちゃんは、先生の車で家路に向かった。



助手席には、もちろんお姉ちゃんが座っている。




先生の特別な人しか座れないその席に…。




後部座席の背にもたれて窓から見える景色を眺めた。



幾つもの車が横を通り過ぎていく。



ただの、通り過ぎていく人を乗せて…。



あたしも…先生にとって、ただの通り過ぎていく人になりたかったよ…。