「恵里佳ぁ…」


聡くんから呼ばれて「なに?」って顔を見上げた。



「お前さぁ…」



何かを確かめようとする瞳。



「なに?どうしたの?」


「イヤ、別に…」



そう言って瞳を反らした聡くん。


なんだったんだろう?何か聞きたいことでもあったのかな?


「ねぇ、聡くん…」


「あの人って…姉ちゃんの彼氏?」



「へっ?あぁっ…」



先生へと向けられていた聡くんの視線は、ゆっくりとあたしを捕らえた。



「あ、うん。そうだよ」



そう応えたあたしの顔は、ちゃんと笑えていたのかな?