ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

この日、あたしはずっとお姉ちゃんの部屋にいた。

すると、ケータイの着信音が鳴った。見ると、聡くんからの電話だった。



出ようか、一瞬迷ったあたしは、ボタンを押した。


「はい…」


「恵里佳…はなしが、あるんだ…。会えないかな…?」


そう言った、受話器越しから聞こえてきた聡くんの声は少し震えていた。



数分後、あたしは、買い物に出かけたお姉ちゃんに、聡くんに会いにいってきますと書き置きして出かけた。



バスに乗って、聡くんのアパートに着くと勇気を出して聡くんの部屋のインターホンを押した。


程なくして、出てきた聡くんは、あたしの顔を見ると小さな声で言った。


「親父が、また倒れた。危ないって…」