一気に襲いかかる恐怖に体中が震え上がった時だった。 ガチャンと玄関のドアが開く音が聞こえてきた。 音がした方に視線を向けると 「恵里佳…!気づいたのか?」 聡くんが安堵した表情で微笑む顔が見えた。 「あっ…あたし…」 体の震えが止まらない。 助けてほしくて手を伸ばした。 勢いよく靴を脱ぎ捨て駆け寄る聡くん。 聡くんの背中越しに脱ぎ捨てられた靴が無造作に転がっている。 抱き寄せられる体。 「大丈夫。もう大丈夫だから」 聡くんの声に安心したのか体の震えが止まった。