先生の部屋の玄関の前。
手にはここに来る前にスーパーに寄って買った食材やドラッグストアで買った風邪薬なんかが入ってるビニール袋。
とにかくこのインターホンを鳴らさなきゃ。
何度か深呼吸して、ゆっくりとインターフォンを押した。
『…はい』
一分程経ってようやく出た先生の声は少し枯れていてきつそうだ。
これじゃあ、お姉ちゃんが心配してあたしを寄越したのも納得できるな…。
『だれ…?』
「あっ、あの…滝本…です…」
少しの沈黙のあと、切れたインターフォン。
なんだか不安になって帰りたくなった時
ゆっくりと玄関のドアが開いた。


